土曜日, 10月 14, 2006

大阪の友達への手紙

サキョウカーってご存知?

最近「サキョウカー」という言葉があります。

ニューヨカーのもじりで、左京区に住んだり、左京区を拠点にして仕事をしていて、それなりに左京区独特の空気の中でライフスタイルのようなものを持って楽しんでいる人のことをいうようです。

そんなことをターゲットにいま発売のLマガジンが「左京区」の特集をやっています。とてもうれしがって喜んでいる人もいるようですが、(村上春樹のノーベル賞問題)と同様、個人的なへそ曲がりで、雑誌に載ってもなんぼのもんやというきもちがあります。

左京区の情報は口コミで伝わっているところが多くて、サキョウーカーはそれを楽しんでいるところもあり、ちょっと待ってよ!という気分がある。左京区の情報は門外不出というわけでもないのだけれど。

木曜日, 10月 12, 2006

村上春樹について(2)

 ファイターズがパリーグを制した。

 これは素直に喜べるし、新庄の引退も飾れたし。札幌、北海道をフランチャイズにしたのは本当に良かったし・・・・特にファイターズファンでもないのだけれど、何故かこの優勝は素直に嬉しい。

 村上春樹がノーベル文学賞に「落選」した。まえのブログでも個人的な心情としては複雑であることを吐露してしまったのだけれど、その心情をそのまま引きずって、ホッとして喜んでいる部分もあり相当残念がってる部分もあり・・・・ といったところ。

 それにしても、不勉強なことに「当選」したトルコの作家」、オルハン・パムクという人はまったく知らなかった。ほんとに世界のこと総体が見えていないと、少なからず悔んでいる。

日曜日, 10月 08, 2006

村上春樹について(1)

先週の前半に、最近文庫化されたばかりの、村上春樹「アフターダーク」を読んだ。文庫で300ページほどなので、あまり長くない小説だけれど、とてもいい作品だったと思う。

実は、ぼくは村上春樹のファンである。彼の作品をはじめて読んだのは、40歳になったばかりのころ。「中国行きのスロウボート」という短編集を本屋で何気なく買い求めたのがきっかけだったと記憶している。

同じ時代に同じ年齢で通過して、見てきた風景や情況を共有できる満足感のようなものが、ぼくを引き付けたのだと思う。

そのころ「世界の終りとハードボイルドワンダーランド」「ノルウェイの森」「ダンスダンスダンス」などの一連の羊ものなどが、既に出版されていた。そのあと出版された「ねじまき鳥クロニクル」「スプートニクの恋人」「海辺のカフカ」。それらを片っ端から買って読んだ。ほとんどの作品をとても気に入っている。
ただ、最も話題になった「ノルウェイの森」は少し違和感を持っているというか、あまり好きになれない。
この作品の少し前に「蛍」という短編が発表されていて、村上春樹の短編の中でも一番好きな作品のひとつなのだけれど、それが「ノルウェイの森」の最初にすっぽりそのままはめられているのである。ぼくとしては「蛍」はあれで完結してほしかった。「蛍」に続編があるのが気に入らないばかりか、あとの展開の仕方もどうもよくない。

というようなわけで、ぼくとしては非常に珍しいことなのだけれど。今年に入って、村上春樹の文庫化された長編を、新本、古本かまわず買ったりもらったりして、ぽつぽつと読みなおしている。

その村上春樹がノーベル文学賞にノミネートされているらしい。最有力であると、もっぱらマスコミの「噂」である。

ファンとしては、この「噂」はうれしい。外れたりしたらきっとガッカリするだろう。しかしその一方で「当選」したらと思うと、それはそれで面白くないという気持ちがどこかにある。

それと彼の作品ってノーベル文学賞とあまりそぐわないように思う

どうなれば気持ちの治まりどころがいいのだろうか?「当選」したうえで、かつてのサルトルのように「作家に賞は要らない」なんて、受賞を辞退するというのはどだろうか。これがいちばんカッコいいと思うのだが。

などと勝手なことを、ぼくは思っている。