木曜日, 8月 30, 2007

Fくんへの手紙

 ふつう京都の夏は祇園祭ではじまり、送り火で終わるというけれど、ことしは特に残暑が長く厳しくて、気分はだいぶ秋色にもかかわらず、まだ夏が終わらない感じやね。

 いつもながら、あっという間の酒宴だったね。もう少しゆっくり話したかったなぁ。といって、とくに話すこともないんやけど。ごちそうはもう少し欲しいというところが丁度ってことかな。ま、どちらも息災で何より!というところか。

 きみと飲んだ次の日からパソコンの調子が優れず、週を越すあたりにハードディスクがとうとう壊れ、あわてて中古のハードディスクを焼酎一本と交換で手に入れたが、2日間動いて、これがまた修復中にダウン。先週はヤッサモッサでかなり寝不足の1週間だった。年のせいか、これがまたキツくって、夏は終わるどころか、いまごろの夏バテ。

 そんなわけで、あの時読んでいた、堀江敏幸の「雪沼とその周辺」を昨日やっと読み終えた。

 きみの言うとおり「何も起こらない」物語だけど保坂和志と違って、読んだ後にとてもシックな独特の感慨の残る作品で、珍しい質の小説だった。短編をただ集めただけではなく、それぞれの作品が有機的につながっていて、造りもなかなか面白い。

 解説を池澤夏樹が書いている。かれも好きで比較的よく読んでいる作家。メルマガを配信してもらっている、不定期にエセーが送られてくるだけだけれど。もうアクセスしたことがあるかも知れないが。
池澤の web site
http://www.impala.jp/

 というわけでやっと一連のヤッサモッサも一段落したところで、いつもながらにお金が厳しい月末が、
もう今月も来てしまった。今日から村上龍の「半島を出よ」を読み始める。

 きのうの朝は、雨の止み間にジョギングに出かけたら、途中で土砂降りで、シャワーを浴びながら走っているようだった。この雨で少しは涼しくなるかな?

 では、また年明けに!

--------------------------------最近2・3ヶ月で読んだもの

北原亜以子 深川澪通り夜の明けるまで
辻原登 枯葉の中の青い炎
高樹のぶ子 水脈
小川洋子 ブラフマンの埋葬
伊集院静 受け月
嵐山光三郎 芭蕉紀行
浅田次郎 椿山課長の七日間
柳美里 八月の果てに
絲山秋子 海の仙人

金曜日, 8月 03, 2007

SさんとIさんへのメール

9条の会呼びかけ人のひとり 、小田実さんが亡くなりましたね。吉岡忍さんが新聞に、小田さんの思い出を書き、参議院選の結果に関心を持つ気になれないほど気が重いということを書いていました。

民主党は大勝だったけれど、9条ネットは誰も当選できませんでしたね。

この春の統一地方選で2人の友人が民主党から京都市会議員に当選しました。2人とも70年前後、小田実さんが呼びかけ人だった「京都べ平連」で中心的な役割をしていました。

民主党は、一応、党として改憲の方向を目指しているし、そうかといってまだスターリニズムの空気が残っていそうな共産党を応援する気にもなれないし、社民党は空回り気味で力が出ないようだし、ぼくも何だか戸惑いの重い気分で、月曜日の朝を迎えました。

9条を守ることで大同盟を組めないのはこの国の大きな不幸かもしれないと思ったりします。

選挙で過半数といっても、投票者の過半数だから、有権者の30%以下ということです。しかもそこには未成年者とか、外国籍の人とか入ってないんだから、この国に住む人全体からいえば、はっきり意思表示できたのは2割そこそこということですよね。これで民主主義といっていいのかな?

もっとも多数の選択がいつも正しいとは限らない。完全な多数決の選択よりも、一人の天才の判断のほうが良かったという場合だってありうる。とくに構成する人口が多ければ多いほど、健全な民主主義は機能しにくくなるのかな?「結果ではなくて、プロセスが大事なんや!」
っていう人もいますが。

ドイツのヒトラーみたいのは御免ですが、国が拡がり人が急速に増えたローマで、カエサルのような人が現れたのは、当時のローマとしては必然であり、ローマ人の正しい選択であったかもしない。

このくそ暑いのに、ぼくの脳みそはこんな取り止めもないことを考えておるようです。
老人性うつ病にならないように気をつけなくては・・・!