金曜日, 9月 29, 2006
秋の七草
はぎ ききょう
くず おみなえし
ふじばかま
おぐさ(すすきのこと) なでしこ
秋の七草
と七五調で憶えるのがいいらしい。
この秋の七草を読み込んだ詩歌を調べていたら、
百人一首の
「天つ風雲の通ひ路吹きとぢよ 乙女の姿しばしとどめむ」
でおなじみの、僧正遍照の歌が出てきた。
「名にめでて折れるばかりぞ女郎花 我おちにきと人にかたるな」
美しい女郎花を折ってもって帰ろうとして、つい馬から落ちてしまった。どうかこのことはひとにいわないでください。といったところの意味だろう。
このふたつの歌だけを読んでいると遍照というひとちょっと生臭そうだが、たったこれだけの根拠でそんなことをいってはいけない。失礼失礼!いまに名が残るくらいだから、きっとりっぱな僧侶であったろう。
ところでこの女郎花の歌を「本歌取り」というのか、材料にした俳句川柳もいっしょに見つけてしまったのでご紹介。
まず芭蕉翁
「見るに我も折れるばかりぞ女郎花 」
つぎの川柳がおかしい。作者がまだわからないのだが。
「とどめたは乙女落ちたは女郎花」
と二つの歌を材料にしている。
そのほか秋の七草の詩歌より
はぎ、
ひとつ家に遊女も寝たり萩と月 芭蕉
萩ひと夜乱れしあとと知られけり 小倉涌史
ききょう
朝粥や桔梗ひたせる山の水 桂信子
手拭に桔梗をしほれ水の色 大高源五
くず
真葛野に晴雲繁し音もなく 金子兜太
おみなえし
日は空を月にゆずりて女郎花 桂信子
ふじばかま
なに人かきてぬぎかけし藤袴
くる秋ごとに野辺をにほはす 是としゆき
おぐさ (すすき)
山暮れて野は黄昏の芒かな 蕪村
なでしこ
撫でし子やものなつかしき昔ぶり 子規
いかがなものでしょうか?
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